研究テーマ
Research Topics
1. スポーツパフォーマンス評価システムの開発
センサー技術の発展により、身体の動きを容易に計測・分析できるようになりました。体動計測に加速度計を用いるシステムは数多く開発されていますが、筋電や心拍、画像処理(体の動きやボールの動き)を同時計測できるシステムは、多くありません。本研究では、市販されている安価な複合型センサー(加速度計、磁気センサー、ジャイロなど)や高速カメラ、小型無線モジュールなどを組み合わせ、スポーツ中の身体動作やスポーツ用具の動きを統合的に評価できる生体計測システムを開発しました
2. ゴルフパットスイングの脳波測定・解析と分析のためのトリガー開発
脳波にはメンタル状態や様々な情報が含まれています。しかし、脳波(EEG)は信号がとても小さく、加算平均処理などのノイズ処理が必要になります。特にスポーツ時の脳波を正しく分析するには、どの運動に関連した脳波なのかを明確にすることが重要です。そこで、動作に適応したトリガー出力(加算平均に必要となる)を様々なセンサーから抽出し、データ処理が可能となるシステムを構築しました。 まずはゴルフにおけるパッティング中のメンタル状態を解析するため、スイング開始とインパクトの瞬間を正確に示すトリガー装置を作成し、脳波の測定・解析を実施しました。パッティングをバックスイング、インパクト、フォロースルーに大別することで、各動作に関連した脳波解析が可能になります。その結果、プロとアマチュアの脳波には差が見られました。今後はユーザーが簡単に装着可能な小型脳波計測装置の開発を進めていく予定です。この装置を活用することで、スポーツの練習効率やパフォーマンス向上への貢献が期待されます。
3. ボディバランス計測システムの開発
ボディバランスはスポーツに限らず日常生活において重要な要素です。リアルタイムに計測・評価できれば練習効率の向上につながります。感圧範囲が広い圧力センサーを使用し、ボディバランスを可視化する装置を開発しました。ボディバランスの変化は、画面上にリアルタイムに表示できます。この装置を計測に用いることで、ボディバランスに関する指導・練習の効率化が期待されます。
4. ゴルフスイング速度測定装置の開発
ゴルフスイングに影響を与えることなくゴルフクラブのヘッドスピードを計測できる、非接触型の測定装置が増えています。試作した計測システムはレーザーダイオードと光センサーを連動させ、ゴルフスイングをバックスイングやインパクト、フォロースルーに大別し、それぞれの速度を非接触で測定できる装置を開発しました。ボールの初速も測定でき、結果はスイング終了後にディスプレーへ表示されます。ドップラー効果を用いた既存システムと比較すると、アプローチ時などに用いられる遅いボールの初速度、スイングスピードが正確に計測する事が可能です。また、センサーの配置を調整することによって、ユーザーに合わせたゴルフスイング中の各ポジションにおけるヘッドスピードを簡単に計測することができます。
5. スポーツや健康の管理に特化したウェアラブル型スマートデバイスの開発
スマートウォッチ等の登場により、運動や健康のモニタリングウェアラブルデバイスが普及しています。加速度やジャイロセンサーを内蔵した多機能なウェアラブルスマートデバイスが開発されてきました。しかし、多種多用の小型ウェアラブルデバイスと無線で接続し、計測から解析まで行えるデバイスは多くありません。今回、体の動きを測定するために、軽量・低価格の手首と指に装着するウェアラブルデバイスを試作しました。手首に装着するデバイスが動きの方向や傾きなどを測定し、計測データをタッチスクリーンに表示します。さらに、指輪型デバイスを連携させることで、より詳細な身体動作の解析が可能となります。 このシステムは独立して設計されているため、スマートフォンなどの外部機器を必要とせず、様々な活用が期待できます。
6. ゴルフクラブの各部分の動きを測定するシステムの開発
複合型センサーと通信モジュールの小型化により、複数のセンサーを用いた小型軽量計測システムの開発が容易になりました。ゴルフクラブの一部に単独で加速度センサーやジャイロを取り付けて計測・解析するシステムは多く開発されていますが、クラブの複数の箇所で、統合的に解析できるシステムはまだ多くありません。ゴルフクラブのヘッド、シャフト、グリップに小型・軽量・低消費電力の複合センサーを取り付け、スイング中のクラブの動きをクラブの複数の箇所同時に計測・解析できるシステムを開発しました。測定したデータはオフライン解析可能で、ゴルフスイング中におけるゴルフクラブの各部分の詳細な方向・傾き・速度が分かります。さらに解析用アプリケーションを用いる事でスイング時間やリズム、クラブヘッドの軌道などの詳細な情報も得られます。
7. 小型高濃度酸素発生器の開発
酸素投与は、呼吸器疾患(新型コロナウイルス感染症)や血中酸素濃度の低下を引き起こすその他の症状を持つ患者によく使用されます。しかし、重たく、供給量(補充)が限られています。酸素濃縮器は大気中から酸素を抽出し、補充の必要がないため、コストパフォーマンスにすぐれます。しかし、一般には使い方が難しく、初期投資額が高く、通常は大型です。今回我々はゼオライトを用いた酸素濃縮とIT技術を応用し、安価、無線制御でどこでも簡単に使用可能な小型の高濃度酸素発生装置を開発しました。ゼオライトカラムで空気中の窒素を吸着すると、酸素濃度が高くなり、取り出すことが可能になります。吸着後、カラム内を減圧し窒素をパージする事で繰り返し使用できます。小型・無線マイクロコンピューターと制御基板により、圧力状態を制御するだけで連続的に高濃度酸素を抽出できます。電源さえ確保できればどこにでも導入できる独立型システムになっています。装置全体の小型化と低コストにより、様々な活用が期待できます。
8. エリア監視用ミニチュアIPカメラシステムの開発
小型カメラセンサー、高性能マイコンボード(無線対応)、SD カードモジュールを組み合わせ、ミニチュアIPカメラ使用ウェブカメラネットワークシステムを開発しました。このシステムは他のパソコン、専用ソフトやサブスクリプションを必要としない独立型の構成となっています。長時間安定稼働できるように、ソフトウェア・ハードウェア両面で熱対策を施しました。ネットワーク切断状態から、自動で再接続・復帰する機能も備えています。小型マイコンで制御し、複数カメラの追加も容易です。映像はリアルタイム視聴でき、映像・画像データはIPカメラの内部メモリやセントラルマイコンの内部メモリ、ネットワーク上の他のストレージ機器(NASなど)などに保存できます。